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時代錯誤の地方蔑視[2]

 著作も販売も信州に限定したものではまったくなかった。全国販売が小さな取次のために十分には全国にゆきわたらなかっただけだ。一信州人として書いたが、視野にも人物評価にも信州限定はカケラもない内容である。同時に出た信州発のこれぞ信州向けという一冊と比較すれば一目瞭然である。それも読んだであろうその記者の、所詮田舎者とでもいうような小馬鹿にした素振りに後味がわるかった。朝日か夕日か知らないが、中央の権威などには無頓着に臆せず言う私が癪に触ったのかもしれなかった。
 ジャーナリズムにしてこうだから、出版など推して知るべしであったが、一抹の期待に目が曇った。もっともこれは氷山の一角で、政治から万事がこの国は東京一極集中である。出版にいたっては東京村の全国支配といった観がある。地方自治とはいえ、これに風穴を開けたのが中央で育った田中康夫の県知事当選だった。
 これでは、賞をとるか、有名人か大学教授などの知識人というよほどの権威がないと出版はできない。版元ごとに小村ができていて、そこに作家やライターを牧場の牛馬のごとくかこっているから執筆を依頼されるはずもない。かくして、一般の作者が本を出したいと思えば、一縷の望みを託してあちこちに原稿を送りつけるという現象がおきる。げんに私もその寸前までいった。
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