スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ある若者の死

春浅き伊那谷の土に君還る
なぜ死に急ぐか若き血潮

野辺送りの時にうかんだままを詠んでみた。若者は息子が高校で野球に明け暮れたときの仲間だった。突然の訃報をはじめは、突発的に起こった身体の異変が原因らしいと聞いた。参列までもなかろうと思ったが、翌朝、自殺と知った。やや迷ったが、5年前の残影にひかれて出かけた。

身長が190cmもあった。体格だけでなく発する雰囲気がすこし大人びていた。気も意思も息子はむろん他の仲間より強そうに見えた。副キャプテンとしてまとめリードする力もあった。
そんな印象と死に落差があった。そこが気にかかった。

無断欠勤していたという。無断はよほどだ。会社で何かがあり、何かで悩んでいたとしても、みずから命を絶つとは尋常ではない。尋常ならざる事態や事故・トラブルでもあったのだろうか、あるいはそれにまきこまれたか。こう想像せざるをえないが、事実はいっさい解らない。

勤めていた東京の会社からは誰も来なかった。弔電のみ。どんな会社か何も聞かされなかったが、それにしても奇異であった。この事実が死の真相を知る手がかりになりそうだ、と思った。
が、これは感想にすぎない。若者の不運の死を 悼みながら、
ふと彼の短い23歳の人生を「メモリアルBOOK」として遺せれば、と想った。

中学・高校・野球部の同期が大勢集まった。悲しみの嗚咽が最後まで止まなかった。恩師で「お寺あそび」を出版してくれたばかりの宮脇瑞穂先生の弔辞は、沈着なうちに悔しさがにじみ胸が痛んだ。
若者は霊峰駒ケ岳を望む小高い丘の上に眠った。あたりには、満開の白梅とほころびはじめた一本の桜が、千年の春を告げていた。
スポンサーサイト

Template Designed by DW99

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。